2014年3月11日火曜日

あの日、あれから3年が経ちました

今朝から猛吹雪の蔵王。
そう言えばあの日も雪が横殴りに降っていました。
窓からその吹雪をじっと見えている事ができず、胸の奥が「チクッ」。
目をそむけても閉じても、蔵王颪が吹きやむ事はありません。
びょうびょうとけたたましいうなり声をあの日に重ね、忘れかけた記憶の扉を勢いよくこじ開けるかのように自らの心に襲いかかる。残酷で無情な自然界からの猛威。
窓の外は激しい雪と風の世界。立っているのもままならない自然界。
我々はその中で生きている。そんな事は明白な事実ではあるものの、この猛吹雪によって改めてそう思わせられる。
今日は東日本大震災発生から丸3年。
やはり様々な事が頭を駆け巡ります。
2011.3.11 当日私が撮影した宮城蔵王某所





























全てのライフラインは断たれ、陸の孤島と化した峩々を私は一時的に離れました。
様々な方法でお客様に連絡をして事情を説明しました。
全従業員の無事を確認し今後の方針をその翌日に伝え、また集まる日を決めて解散しました。
遠刈田温泉においても携帯が使えなかったため、宮城県庁まで行きモバイル版のブログを何とか更新しました。
貴重な燃料でした。貴重な時間でした。
先行きの見えない不安と孤独。ひたひたと忍びよる影と数分間に1度襲ってくる余震。
福島第一原子力発電所の水素爆発が起こっていたことを知ったのは、かなり後になってからでした。
何事も必要必然と考えて前に進んでいた自分自身の信条を根底からバラバラに粉砕された思いでした。
底知れぬ怒りがこみ上げ、不条理な世の中を恨み、腹に力がこもらない錯覚の中にいました。

と言いますのも、私が社長に就任したのが2010年の11月です。「よし、頑張るぞ!」と腕まくりをするやいなや起こった未曾有の大惨事。
まさに出鼻をくじかれたわけです。
今考えてみれば、昔お世話になった会社の上司に言われた事そのものでした。
おまえは最初から能力がないから、伸びる一方だぞ。伸びや悩むことなく突っ走れと。
どこかで吹っ切れたのでしょう。私はある時から超のつくプラス発想で皆を巻き込んでどんどん前に進みました。
チャリティBOXもそうでしたし、公私共に超プラス発想で走ってきたように思えます。

このブログでも何度となく登場しております「小竹浜」。こちらのボランティア活動は、震災後から継続させて頂いております。
ある時、その活動内容を取材して頂きました。
地方紙のシリーズ化されたコーナーに掲載され、つい先日その部分をまとめた書籍が出版されました。
徹底した現地取材からより現地目線での「震災」「その後」が書かれております。
なかなかメディアでは取り上げにくい被災地の素顔を、地元新聞社編集局員のジャーナリスティックな視点。我々はこれからどう進むべきかを再興する上で必要なエッセンスになりうるものだと確信しております。ぜひご一読頂きたいと切に思います。

今日は朝から除雪車に乗って駐車場をいつものように雪かきしておりました。
いつも通りあたり前の仕事。今朝も同じようにあたり前に。

あの時、いつ供給されるかわからない燃料を減らす事が恐くてじっとしていた自分を思い出しました。みるみるうちに降り重なる雪。山奥に妻と2人だけの生活。
震災の3日前に挙式を上げた妻と、薪ストーブでお湯を沸かして食べたカップラーメンの味を思い出しました。
2011.3.18撮影:峩々温泉

「がんばろう・・・」
何も考えずにふっと口から出た言葉。
がんばる事があるんだからがんばる。
ガンバレって大きな声を掛けてもらったからそれに応える。
誰かとがんばる。みんなでがんばる。ひとりでがんばる。
あの日、あの時からがんばる事を教わったのかも知れない。




海よ里よ、いつの日に還る――東日本大震災3年目の記録
寺島英弥
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2014年2月9日日曜日

ソトコト 2014.3月号 掲載


ソトコトは個人的に面白くて好きな雑誌です。今回は地域資源の継承をテーマに取材して頂きました。
ライターは旅ジャーナリストののかたあきこさん。
以前、ソロモン流(テレビ東京2013.10.20放送)で紹介して頂きました。
のかたさんの文章は歯切れが良くて本当に読みやすいですね。
そして山里の営みや恵み、また厳しさなどを世相と反映させてまとめる。
単純に温泉宿の紹介ではなく、そのバックボーンを深く掘り下げる。
確かに取材力もすごかったです。

ブログでも何度も言ってますが、私は取材が大好きです。
単純に目立ちたがり屋と思われているかもしれませんが、半分本当で半分はちゃんとした理由があります。

腕の良いライターは当然知的水準が高いです。
生意気な言い方かも知れませんが、それは取材を開始した3分くらいですぐわかります。
3分後にその取材に対する自分のモチベーションが決まります。
自分の考えを引き出してくれるライターは本当にありがたいと思います。
旅館の仕事はある意味様々なしがらみの中で成り立っています。
時として自分の方向性に迷いが生じたり、その境遇にいきどおりを感じたりする事も少なくありません。
そういう時は自分の考えをストレートに話す事が大事だと思っています。
心を開き、考えを全て言ってみる事です。
腕の良いライターはまとめ力も一流。
とりとめのない話しでも、最後はしっかりとまとめます。
そのおかげで自分の考えが改まる。再認識するのだと思います。
そしてそれが誌面になる。活字になる。
自分や旅館がどう思われているかがはっきりと書かれるのです。
それを読み返すと、身が引き締まる思いです。

広告費を出して、イメージの良い事を書いてもらっている旅館にはのかたさんのようなライターが取材に来る事はないでしょう。
宿をとりまく自然への敬意。人とのつながり。温泉を守り続けてきた歴史。住んでいる者の生き様。それを総称して「秘湯の宿」と呼ぶのかもしれません。

この誌面を読み終わる頃「自然に感謝して、訪れる旅人を喜ばせ、宿を一生懸命守り生きていって下さい。」とエールをもらったような気持ちです。

ソトコトをぜひご一読頂きたく思っております。


月刊『ソトコト』は、ロハスピープルのための快適生活マガジンです。地球と仲良くし、楽しく生きていくためのライフスタイルを探り、提案していくことをコンセプトに、1999年、世界初の「環境ファッションマガジン」として創刊しました。
そもそも「SOTOKOTO」とは、アフリカのバンツー族のことばで「木の下」という意味です。心地よい木陰ができる木の下に集い、さまざまなお話し合いや儀式をしてきたアフリカの人々。
樹木が醸す安らぎ、みずみずしい生命感、そよぐ風、さえずる鳥。地球といのちの交歓が、私たち人に叡智を与えてくれる。

『ソトコト』というもうひとつの木陰で、地球環境や私たちの暮らしについて議論しあい、未来につながるいい知恵を生み出そう。そして、それを愉快に伝えていきたい。
そんな想いが込められています。

『ソトコト』は、常に時代の先を読み、新しいライフスタイルを紹介。どうやら、ブームの仕掛人にもなっているようです。「エコファッション」という新しい概念から始まり、北欧、ドイツ、ニュージーランドやオーストラリアなどの海外へ飛んで取材して「スローライフ」というスタイルを提唱。“スロー”はちょっとした流行語になり、とりあえずなんにでも“スロー”をつけてみるという風潮に。右肩上がりの成長をあたり前と考える社会の在り方はもう限界なのではないか? という漠然とした思いと反発心があったのかもしれません。
イタリアで見つけてきたのが「スローフード」。某ファストフード店のマークを逆さまにしてあしらった挑発的な表紙(2000年5月号)は、かなり話題になりました。
そして、2006年はロハスが大ブレイク。企業もセレブたちも「エコ」を真面目に語る時代がやってきて、創刊100号記念号(2007年10月号)からは、CO2排出権付き定期購読サービスをスタートさせ、世界初「カーボンオフセットマガジン」になりました。
ローカーボンな暮らしを、知恵を出し合って楽しく実践する時代。さまざまなアングルで、ロハスなライフスタイルを提案する、現在も絶賛進行形です。

(以上、ソトコト 公式Webページより抜粋)


ソトコト 公式Webページ

大平温泉 滝見屋(山形県米沢市)







2014年1月25日土曜日

旅の手帖 2014.2 掲載




特集 冬こそ秘湯
旅の手帖はいつも特集がいいですね。ストレートでわかりやすい。
さすがに旅慣れている方々をターゲットにした雑誌だと思います。
取材力もさることながら、その地方の隠れた楽しみや旅館の本質的な価値を掘り下げてくれるありがたい雑誌です。

今回のテーマはズバリ
私が個人的に一番好きな季節ですね。
秘湯の宿は間違いなく冬が一番価値が高まると思います。
冬の旅は様々なことを考えさせ、自然の恵みをより感じられると思います。
美味しい食事を食べて思う事。
厳しい吹雪にさらされ、その土地の生活に思いを馳せる事。
味わい深い旅にはテーマが必要です。
冬だからこその楽しみが用意されている山の宿。
厳冬期の山間部に位置する秘湯ならでわの貴重な体験をして頂きたいと思います。

冬は旅の目的がより明確で、あれやこれやと欲張らない良い季節です。
どうぞ秘湯旅の象徴とも言える冬にぜひともお出かけくださいませ。


■ 旅の手帖
■ 宮城蔵王 樹氷めぐり



旅の手帖 2014年 02月号 [雑誌]

交通新聞社 (2014-01-10)

2014年1月24日金曜日

休館のご案内

館内の補修、設備等メンテナンスにつき1/26~1/31まで休館させて頂きます。
ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。

2014年1月16日木曜日

オリパパ邸 探訪

日頃からとても親しくさせて頂いておりますオリパパご一家。
新潟中越地震の震災復興チャリティ・コンサートでも大変お世話になりました。
時として師であり父であり、時として友である貴重なありがたい存在。
私どもの結婚式でトランペットを吹いて頂きました。
東日本大震災の時も沢山の応援を頂きました。
そんなオリパパは数年前にある里山にて、こんな素敵な暮らしをしています。
ごくごくシンプルな暮らしの中で、トランペットと改めて向き合う生活。
音楽家としての集大成を迎えようとしている。




オリパパのトランペットには心がある。
ではその心とはいったい何が育むのだろうと考えてみる。
その営みを目の当たりにし、その答えはすぐに出た。

家族と仲間と丁寧な暮らし。

何を大切にしていて、どのようにして生きていきたいか。
音楽はそれをストレートに表現できる。
私はこういう人間なのですと、音楽は素直に表現できる。
自分もそうありたい。
そしていつの日かその事を峩々に訪れる旅人に感じて頂きたいと願う。


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2014年1月1日水曜日

2014年 元旦


新年あけましておめでとうございます。
先ほど温泉神社にて初詣をすませてまいりました。

皆様の健やかな暮らしに温泉の力が少しでもお役にたてますよう、いっそう頑張ってまいります。
本年も変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

2013年12月31日火曜日

ゆく年くる年 2013


雪が降るでもなく吹雪くこともなく、本年の大晦日も静かにお客様をお迎えしております。12月上旬から降り続きました雪は例年の積雪量をはるかに超えるものでしたが、今朝から本当に穏やかな日和です。
私どもは何年もこの場所に住み、様々な自然の表情を目の当たりにしてまいりました。時には目を開けることも立っていることすらできない猛吹雪の日もあります。
だからなおさら今日のとても清々しい1日が愛おしく思えるのかもしれません。
蔵王の静けさは本当に言葉になりません。
お客様と共にこの静寂の中で新しい年を迎えられることに、心から感謝しをしております。

談話室に掛けさせて頂いております肖像画。私からさかのぼること三代前ですから、曾祖母です。
いつも優しく私の仕事を見てくれています。
曾祖母の時代に思いを馳せますと、今からは想像もできないほど峩々は過酷な場所でした。きっと沢山の苦難の中でこの宿を守ってくれたのだと思います。

自分の生活はどのような人の上に成り立ったいるのか?
大晦日だからこそ、そんな事をじっくりと考えたいと思います。
家業というものは様々なものを受け継ぎ、守り抜いていくものです。
温泉や旅館が主ですが、他にも沢山受け継ぐべき「資産」があります。
しかしながら1つだけそれができないものが存在します。
それは「思い」です。
どんなに大きな苦労をしても、それを人から人へ受け継ぐことは不可能です。
だからこそ、人は思いを馳せるのだと考えます。
思いを馳せること。
そして限界なく自分と先代をつなげてくれます。
様々な思いの上に私は立っている。
そしてこの峩々がここに存在しているのです。
ちょうど日付が変わる頃、今夜は曾祖母の肖像画を前にしばし思いの時を刻みたい。そう思います。

人間万事塞翁が馬

「じんかんばんじさいおうがうま」
本当に人生は予想もしない出来事ばかり。
幸福も不幸も沢山やってきます。
でもそれは考え方の問題で、目の前に起こった出来事を幸いと捉えるかは個人の性格によるものが大きいと思いますし、例えそれがどのような結果だとしても振り返って後悔するような事そのものが不幸なのだと思います。
「人間万事塞翁が馬」
来年は午の年。いつも心にとめておきたいですね。

本年も本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
来年も元気にまたお会いしましょう。