今朝から猛吹雪の蔵王。
そう言えばあの日も雪が横殴りに降っていました。
窓からその吹雪をじっと見えている事ができず、胸の奥が「チクッ」。
目をそむけても閉じても、蔵王颪が吹きやむ事はありません。
びょうびょうとけたたましいうなり声をあの日に重ね、忘れかけた記憶の扉を勢いよくこじ開けるかのように自らの心に襲いかかる。残酷で無情な自然界からの猛威。
窓の外は激しい雪と風の世界。立っているのもままならない自然界。
我々はその中で生きている。そんな事は明白な事実ではあるものの、この猛吹雪によって改めてそう思わせられる。
今日は東日本大震災発生から丸3年。
やはり様々な事が頭を駆け巡ります。
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2011.3.11 当日私が撮影した宮城蔵王某所 |
全てのライフラインは断たれ、陸の孤島と化した峩々を私は一時的に離れました。
様々な方法でお客様に連絡をして事情を説明しました。
全従業員の無事を確認し今後の方針をその翌日に伝え、また集まる日を決めて解散しました。
遠刈田温泉においても携帯が使えなかったため、宮城県庁まで行き
モバイル版のブログを何とか更新しました。
貴重な燃料でした。貴重な時間でした。
先行きの見えない不安と孤独。ひたひたと忍びよる影と数分間に1度襲ってくる余震。
福島第一原子力発電所の水素爆発が起こっていたことを知ったのは、かなり後になってからでした。
何事も必要必然と考えて前に進んでいた自分自身の信条を根底からバラバラに粉砕された思いでした。
底知れぬ怒りがこみ上げ、不条理な世の中を恨み、腹に力がこもらない錯覚の中にいました。
と言いますのも、私が社長に就任したのが2010年の11月です。「よし、頑張るぞ!」と腕まくりをするやいなや起こった未曾有の大惨事。
まさに出鼻をくじかれたわけです。
今考えてみれば、昔お世話になった会社の上司に言われた事そのものでした。
おまえは最初から能力がないから、伸びる一方だぞ。伸びや悩むことなく突っ走れと。
どこかで吹っ切れたのでしょう。私はある時から超のつくプラス発想で皆を巻き込んでどんどん前に進みました。
チャリティBOXもそうでしたし、公私共に超プラス発想で走ってきたように思えます。
このブログでも何度となく登場しております「小竹浜」。こちらの
ボランティア活動は、震災後から継続させて頂いております。
ある時、その活動内容を取材して頂きました。
地方紙のシリーズ化されたコーナーに掲載され、つい先日その部分をまとめた書籍が出版されました。
徹底した現地取材からより現地目線での「震災」「その後」が書かれております。
なかなかメディアでは取り上げにくい被災地の素顔を、地元新聞社編集局員のジャーナリスティックな視点。我々はこれからどう進むべきかを再興する上で必要なエッセンスになりうるものだと確信しております。ぜひご一読頂きたいと切に思います。
今日は朝から除雪車に乗って駐車場をいつものように雪かきしておりました。
いつも通りあたり前の仕事。今朝も同じようにあたり前に。
あの時、いつ供給されるかわからない燃料を減らす事が恐くてじっとしていた自分を思い出しました。みるみるうちに降り重なる雪。山奥に妻と2人だけの生活。
震災の3日前に挙式を上げた妻と、薪ストーブでお湯を沸かして食べたカップラーメンの味を思い出しました。
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2011.3.18撮影:峩々温泉 |
「がんばろう・・・」
何も考えずにふっと口から出た言葉。
がんばる事があるんだからがんばる。
ガンバレって大きな声を掛けてもらったからそれに応える。
誰かとがんばる。みんなでがんばる。ひとりでがんばる。
あの日、あの時からがんばる事を教わったのかも知れない。
寺島英弥
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