2012年12月31日月曜日

ゆく年くる年 2012


本年も静かな大晦日です。
賑やかなチェックイン、和やかな夕食、談話室では薪ストーブの炎を眺めらなら談笑や読書するお客様。
皆様思い思いの時間を楽しまれております。
私はと言いますと業務を一段落させて、このようにゆっくりと1年を振り返っております。
スタッフとお客様に感謝です。

いつもこの時期にお泊り頂いておりますお得意様と、また今年を振り返りながら良い時間を過ごしております。
今年も本当にお世話になり、誠にありがとうございました。

価値観が大転換し、自らの暮らしや生き方をじっくりと見直す事のできた1年ではなかったでしょうか。
また、ずっと変える事のできなかった自分の思考を、何かのきっかけから次のステージに移行する事ができた年だったと振り返ります。

誰しも夢があります。しかしながら、それを着実に叶えていく人は少ない。
多くの人は理想のハードルを下げて不特定多数の常識にとらわれていく。
それは自分ではどうにもならないと、いつしか自分との対峙をさけるようになってしまう。
そのあまりにもさみしい行為を時間の浪費だという事に気付かず、言い訳を探す人生。
夢は大きさではなく、育む心の温かさが大切なのだと知りました。

高い理想をもって毎日を進む勇気には沢山の手助けが必要です。
助けてもらっている人達への畏敬が自らを成長させ、さらに高みを目指す事ができるのだと思います。
また、峩々での暮らしには安堵と静寂を求めていきたいですね。
ずっしりと根をおろして、心を穏やかに日々を過ごす事です。
何かぼんやりと思い描いていた目標がはっきりしました。
自身のライフスタイルをブラさないという決意ができたとも言えるでしょう。
とても収穫の大きな年でした。関わって頂きました皆様、学びの場を与えてくれた全ての人に心から感謝を申し上げます。

あと数時間で2013年の幕が開きます。
新しい年はどんな夢を持ち、自分がどんな人間になっていくのか本当に楽しみです。
自らのときめきや希望がどんどん成就していく予感がして、胸が大きく高鳴ります。

宮城県石巻市小竹浜でのボランティアでは、大変活躍して頂きました三遊亭遊馬氏。
師匠が必ずサイン色紙に書かれる言葉があります。
笑顔がいちばん
そうです。その通りなのです。元気がなければ笑顔になれない。笑顔がなければ元気になれない。
世の中で最も価値のあるものは笑顔である。本当に大切な事を教わりました。
それ以上に素晴らしいものは無いのに、そんな簡単な答えを即答する事ができる人はそう多くありません。
人を笑顔にできる存在であり続ける事も、人生の大きな目的なのだとはっきりとわかりました。

楽しい時は1人でも多くの仲間と笑顔を分け合う。
辛い事があったら、喜んでもらえる誰かの笑顔を思い浮かべれば良い。
その沢山の笑顔が人を集め、小さな仲間を作る。小さな仲間は笑顔の素敵な人を迎え入れる。
笑顔だったら何でもできる。みんなを幸せにする。
明日出会うであろう新しい笑顔にロマンを感じて生きていきたいですね。

来年も日本中の笑顔とロマンが峩々に集まりますように。
年の瀬に、心から祈りを込めて。

(写真:2012 11月吉日 旧館解体工事に伴う神事にて)


2012年12月29日土曜日

家庭画報 2013.2月号 「至福の温泉宿100」に掲載


家庭画報 February 2013
家庭画報 世界文化社


●絶佳の風景に出会える宿
●離れにくつろぐ別荘感覚の宿
●美食を目当てに訪ねたい宿
●スパ施設が充実の宿
●バリアフリー対応の宿
●深山に隠れた秘湯の宿
●多彩な湯浴みが楽しめる宿

家庭画報2013年2月号別冊付録


完全保存版 7つの目的別に選んだ
至福の温泉宿 100

目的別に宿がカテゴリーされています。という事は、家庭画報の読者が宿に求めているもの別とも解釈できます。そういう視点でパラパラとページをめくっていきますと、全体から今の時代が見えてきます。
「高級よりも上質」「雅よりも癒し」「満足よりも感動」を旅館や観光地に求めてきていると言えるのではないでしょうか。
自らの価値観が確立し、耳触りの良い言葉やうわべだけのサービス、内容の無いハードを見抜く力を身につけたとも言えます。
旅館はより旅館らしい趣を追求する宿と、歴史が裏付ける家風への回帰が今後のトレンドになるように思われます。
「旅館なんだから…」そういった常識はもう昔の事のようです。峩々は旅館である前に、竹内家が長い年月を掛けて継続してきた蔵王の住まいなのです。旅人は蔵王の自然環境の中で育む家風を感じて、我々が守り続けてきた温泉を心ゆくまでに楽しんで、安らいでいかれる事が我々の何よりの幸せ。
「どなた様もいち湯治人」これからもその家訓に添えますよう、立派な宿主になりたいと改めて思います。


峩々が掲載されているからというわけではありませんが、この特集で紹介されている宿は、本当に良い所ばかりです。
私の好きな旅館が沢山載っていますので、ご紹介したいと思います。
至福の温泉宿 100 41ページに掲載されております


【大好きな宿】
・玉の湯 大分県…由布院を代表する宿。安心してゆっくりと休めるホスピタリティ。
・法師温泉 群馬県…ノスタルジックなロマンのある宿。歴史に耳をすませたい。
・岩の湯 長野県…建物やお風呂といったハードが好きな宿。自分の好きな居場所が必ずある。
・嵯峨沢館 静岡県…私のイメージする「The 旅館」な宿。ここにいると何もかも楽しい。

【勉強になった宿】
・御所坊 兵庫県…凛としたたたずまい。旅館全体のトーン。
・無量塔 大分県…談話室のスピーカーにびっくり。主の趣向が懐深くお客様を迎える。
・亀の井別荘 大分県…郷土愛を集めて作った宿。尊敬に値します。
・二期倶楽部 栃木県…アメリカでリゾートしている錯覚に。会話が弾む特別な宿。
・あせび野 静岡県…細かな演出に脱帽。素晴らしい自然環境の中でゆっくり休める。
・妙見石原荘 鹿児島県…全日本「川の目の前にある露天風呂」選手権 チャンピオン。
・翡翠之庄 大分県…屋敷のスケール感。ダイレクト感。
・新明館 熊本県…黒川温泉の中心としての位置づけ。連帯感とリーダーシップ。
・かつら木の郷 岐阜県…オリジナリティあふれるハード。アプローチやファサード素晴らしい。

【ご主人が楽しいキャラクターな宿】
・名月荘 山形県…いつも新しいチャレンジをしている。好奇心と探究心がすごい。
・藤井荘 長野県…ご主人も奥様の素敵な宿。
・西村屋 兵庫県…地域の事を一番に考えているところがすごい。
・鶴の湯 秋田県…幼い頃からお世話になっている宿。郷土料理が美味しい。
・長座 岐阜県…福地温泉にこの人あり。いつも物事の本質を貫くご主人の性格が好き。


【まだ行った事ないけど、大注目の宿】
・山人-yamado- 岩手県
・すみれ 山形県
・リバーリトリート雅樂倶 富山県
・かよう亭 石川県
・住吉屋 長野県
・蔵群 北海道


上記の旅館は全て「至福の温泉宿 100」に掲載されております。

家庭画報 2013年 02月号 [雑誌]

世界文化社 (2012-12-28)

2012年12月22日土曜日

冬のおばんさい 熱々を召し上がれ



一.大地のスープ…長芋とジャガイモのポタージュ

一.旬のワンプレート…旬の幸 前菜盛合せ お刺身 手作り豆腐 山菜

一.白石うーめん…きのこをのせた白石特産うーめん

一.茶碗蒸し…蔵王のたまご「竹鶏物語」を使用

一.ふろふき大根の揚げだし…蔵王高原大根のふろふき

一.鮭のほお葉味噌焼き…三陸産の魚介、蔵王産の野菜

一.大鍋芋煮とひとめぼれ一等米…定番の芋煮と炊きたての一等米

2012年12月14日金曜日

すみかわスノーパーク 2013シーズンOPEN!


本日、今シーズンのすみかわスノーパークがオープン致しました。
峩々からいちばん近くのスキー場であり、何と言いましても樹氷めぐりツアーが大人気です。
当館からもスノーモンスター(雪上車)のお手配をさせて頂きますので、御予約の際にお気軽にお問い合わせくださいませ。





(撮影日:2012/02/22 快晴)

蔵王高等学校の皆さん、企業訪問でお手伝い




 今日は蔵王高等学校の生徒さんが企業訪問に来てくれました。

薪運び、スリッパ拭き、天空の湯と温泉神社への通路除雪を行ってもらいました。
最後は健康温泉入浴講座。楽しんで働いてくれたでしょうか?
伊藤君は仕事を覚えて、自分なりに工夫をするタイプでしたね。やっぱり力持ちってのは頼りになります。
飯塚君は意外と几帳面で、自分の美学を持っているタイプだね。とてもきれいに除雪してくれたので、大変助かりました。
真央さんは人の話しをしっかり聞いてくれるので、安心して仕事を任せられます。
杏里さんは言葉使いがきれいで、落ち着いている。相手が話しやすいという人格は大切な事。
千佳さんは全てに積極的なリーダータイプ。今日教えた浴衣の着こなしを忘れないで下さいね。
先生も積極的に作業に参加して、生徒さんを明るく前に導いている姿は大変勉強になりました。
みなさん、本当にお疲れさまでした。
また学校でお会いしましょう!





2012年12月13日木曜日

先日の講演後に学生さんから届いた1通の手紙


先日の東北学院大学での講演。
すぐに学生の方から1通の礼状が届きました。
フェイスブックの友達申請をくれた人は沢山いましたが、直接手書きのお手紙を頂いたのは1人でした。
私は講演の中で、コミュニケーション力を高めるための話しをしました。
その時に話した「言葉づかい」についての感想が書かれていました。
昨今はテレビのアナウンサーでも平気で間違った使い方をしている日本語。
その間違いは時が過ぎ、いつしか一般化していく事もあります。それを文明としてとらえるれば必然的な事かもしれませんが、おかしいと思っている人と話しをする時は気を付けなければならないと思う。
人の話しを聞き、納得して共感する。心が動かされた次の瞬間、ペンを取り自分の気持ちを表す事ができるような人。
我が母校、東北学院大学にそんな後輩が1人いた事に感激しました。
本当にありがとう。必ずお返事を書きます。

2012年12月12日水曜日

オリジナルワッペン

冬用のスタッフユニフォームのために、オリジナルのワッペンを作成しました。
刺繍の仕上がりがとても上手にできましたので、お客様にも販売しようと思っております。
販売用は20枚程度ご用意できそうです。ご来館の記念にどうぞ。

2012年12月5日水曜日

東北学院大学 経営学部で講演!テーマは「家業継承」について


先日、東北学院大学で講演をさせて頂きました。
テーマは「家業継承」。家の仕事をいかにして継ぐかです。


90分の講義で、様々な事をお話しさせて頂きました。



恩師である鈴木好和教授とは15年ぶりに再会。
お世話になった先生のもとで、お話しができるなんてとても幸せです。




これからもゼミなど、現役の学生と一緒に学びの場を共有していきたいと思います。
東北学院大学のみなさん、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。 経営学の理論に基づく 会社のつくり方

2012年11月5日月曜日

旧館解体に伴う神事をとり行いました。

Photo by Ayumi Hase

数年前から解体を計画しておりました旧館建物。本日はそれにともなう神事をとり行いました。
先々代、先代にわたりお付き合いをさせて頂きました方々、そしてこれから関わってもらう設計や施工、または設備メンバー。親戚や弟夫婦。現在私を支えてくれているブレーンの皆さん。そして東京時代に本当にお世話になりました恩師。大きな期待を持って育てて頂いております日本秘湯を守る会 会長。地元金融機関の支店長や関係業者など、沢山の方々にお運び頂きました。

現在まで修復を繰り返しながら数十万人というお客様を迎え続けてきたこの建物が、今まさに幕を閉じようとしています。その決断を任された者として、今日の日を大切に記憶にとどめたいと思います。
長年続けてまいりました日帰り入浴も昨年より閉館させて頂き、いよいよ今月から本格的な解体工事に着手致します。

解体後は小さなロッヂを作る意外、全て緑化する予定です。自然に返すだけです。峩々温泉の開祖が見た風景の断片でも良い。どんな気持ちでこの地に根を下ろしたのか、解体が終わった後に分かる。
初代 竹内時保と私の中に流れる時間。その対峙がこの先の家業の行く末を決めるのではないかと思っております。
やっとここまで来ました。本当に感謝という言葉しか出ません。

この建物を作ってくれた祖父母、お運び頂きましたお客様、そしていつも沢山の笑顔で包みこんでくれる皆さんに、心からありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願い申し上げます。

2012年11月2日金曜日

宮城県蔵王高等学校 講師


3年ほど継続しておこなっております「講師」としてのボランティア。
地元の高等学校に招かれて、いつも楽しい時間を過ごさせて頂いております。
宮城県蔵王高等学校のカリキュラムは大変ユニークで、起業家教育というものに力を入れております。アントレプレナーシップ プログラムという内容は、本当に興味深いものです。

どうしたら地域をもっと魅力的な観光の町にできるかを高校生のうちから考える授業。
今年の生徒さんが一番発言が多く、本当に楽しい授業でした。
こういった機会を活かして蔵王の事をもっと深く知り、良い町にしていきたいですね。
これからもこのような小さな活動の輪を広げていきたいです。

2012年10月26日金曜日

晩秋の献立会議 ~青山料理長に感謝を込めて~


今日は恒例の献立会議。青山料理長と素材の話しをしながら、様々なアイディアを出す。実際に作ってみたものを写真に撮影したり、試食を繰り返したりと私個人的にはとても好きな仕事のひとつです。
小さな修正や今までやった事がないオペレーションなどに挑戦してみたり、本当に料理長には苦労を掛けています。
今までこの時間を料理長と何度となく共にし、自分達のベストを尽くす。お客様と接している時とは明らかに違う緊張感が厨房に漂います。生みの苦しみと言えば大げさですが、やはりできあがった時の喜びは変えがたいものがあります。

撮影の合間には、決まって息子の趣味や進路の話しをする。自分にはでき過ぎた子供達だと、優秀な成績をあげるたびにうれしそうにしている。そんな何気ないコミュニケーションの場でもある。

そしていつもこの献立を作っている時に実感する「仕事への情熱」。今、まさに職人として熟成期を迎えようとしている料理長の様子は、この晩秋の蔵王のごとき輝きと山のようなおおらかさがあります。
彼自身もいつの日かその葉を大地に落とし、土に還る時が来るでしょう。そしてまたこの蔵王という大地を育むのだとすれば、彼が今まで残してきた料理人としての足跡はあまりにも大きい。
これからも力が尽きるまで、峩々の厨房を守って行って欲しい。そしてまた来月も再来月も来年もずっと、献立会議を続けていきたい。
青山料理長、いつも本当にありがとう。


2012年10月23日火曜日

秋の防火訓練

恒例の防火訓練を実施致しました。
火災は絶対にあってはならない事です。しかしながら訓練を重ね、万が一に備える事が大切なのだと毎回考えを新たに致します。
蔵王国定公園の中に住む者として、しっかりとした防災・防火の知識とスキルそして志をもって生活していきたいと思います。

2012年10月21日日曜日

第一回 小竹浜フェスティバル


東日本大震災後、継続してお伺いしております宮城県石巻市小竹浜。
今回からは被災地支援という枠を超え、楽しい時間を共有するイベントを開催してまいりました。

ずっと、このブログを読んで頂いているみなさんはご存じだと思いますが、まずは私ども峩々温泉と石巻市小竹浜との関係からご説明したいと思います。

東日本大震災で壊滅状態になってしまった宮城県石巻市に小さな漁村があります。

震災後、私どもの旅館では定期的に住民の皆さんを旅館にご招待させて頂いております。

東日本大震災によって、当館も大きな被害が発生致しました。
地震による道路の破損、燃料不足による除雪不能、停電の長期化による温泉管及び水道管の凍結・破裂、従業員の出勤不能、原発事故等々の問題。
峩々温泉は震災翌日からゴールデンウィーク直前まで休館致しました。
そんな中で一番早く業務を再開できると判断したのは、他事業を展開しておりますハム・ソーセージの製造だけでした。
当時は物流も完全に停止している状態ですので、宅急便業者が復活したら一斉に発送できるものを考えました。
「がんばろう!!宮城 チャリティボックス」とし、売上の20%を義援金として現地に送る仕組みです。
諸経費につきましては全額峩々温泉が負担することに致しました。
なぜなら義援金の行き先不明や経費計上など、当時問題になっていたような余計な詮索はされたくなかったからです。
旅館で実際にご提供しております「ひとめぼれ 一等米 3kg(宮城県柴田郡柴田町産)」やお茶、また自社製造のハム・ソーセージレストランによるパウンドケーキ、自家製ドレッシング、超熟成 ロースハムスライス(宮城県産:宮城野Lポーク使用)、豚バラベーコンスライス、ソーセージ2パック。
とにかく旅館が40日間休館しておりますので、従業員の雇用を確保しなければならない。
そう思った私は、全てのスタッフを集めこのチャリティボックスを販売する趣旨を伝えました。
おかげさまで延べ600名以上の方々にご賛同頂き、従業員の雇用・給与の支給と被災地ボランティアの活動資金を捻出することができました。
チャリティボックスをご購入の方にだけ、我々のボランティアに関する活動報告会を行うことにいたしました。
全国各地から駆けつけて頂きました皆様に、心から感謝の気持ちを伝えました。
当日、小竹浜にいらしたボランティア組を含む20名以上の方々にお集り頂きました。
今回も素敵な落語を披露して頂きました三遊亭遊馬師匠と後援会長にはチャリティボックスをご購入頂きました関係でお集まり頂き、その時初めて自己紹介させて頂きました。
夕食後、談話室にて様々な話題でたいへん盛り上がりました。
みなさんの意識の高さ、思いの深さを感じました。

①峩々温泉における震災被害のご説明
②休館時の対応
③ボランティア活動の報告
④今後の支援に対する方向性
⑤原発事故による風評被害の実情
私からは以上5点を報告させて頂きました。
その場所に遊馬師匠もいらっしゃいました。
師匠は避難所で絵本の読み聞かせをするという、大変ユニークなボランティアをされてました。
通常の10倍ほどに拡大した絵本をあの迫力満点の語り口で、時には優しくささやくように、一文字一文字を心を込めて伝えています。
翌日も被災地を回られ、沢山の子供たちと触れ合ったそうです。
後日、自らの活動に協力して頂けないかお願いをしてみました。
小竹浜の皆さんに笑いを届けたい。師匠の高座を聞かせてあげたい。様々な話の中で、そう思いました。

そして、こうやってその思いは現実となりました。
人の思いと言うものは、何かのきっかけを始点に加速度を増します。
その気持ちが折り重なり、大きな力となって目の前に感動の渦をつくります。
とてつもない力が、文字通り人間の原動力になるのです。
人間は何か必ず役割をもって産まれてくると言われています。その役割を全うするために、自らの意思で一生を掛けるけるのです。
どうやって生きていくかを真剣に考えた時、今ま一生懸命やってきた事がこんなにも素敵な時間となってかえってくることなど本来考えられないでしょう。

思いが叶う瞬間。人は原点に立ちかえります。そしてこう思うでしょう。
そうか!今まで頑張れてこれたのはこの日のこの時のためだったのかと。
そして、この人達に出会うために沢山のプロセスを踏んだのだと。
それそれの思いを乗せて、この大漁旗のごとき小竹浜という大きな家族と共に素晴らしい時を過ごす事ができました。
宮城県石巻市の牡鹿半島に「小竹浜」という小さな漁港。
現在の人口は82名、平均年齢が70歳を超えているような所です。
街に暮らす住民の主要産業はほぼ全て漁業で、主に牡蠣の養殖やシャコエビ漁などが盛んでした。現在も少しずつ海底の瓦礫撤去、水質の検査などをクリアしながら漁を復帰させております。

こちらとはこの震災を経て、また深い絆で結びついたような気持ちでおります。
私が幼い頃に通っていた川崎小学校青根分校と小竹小学校は交換会を行っており、夏休みになると3年生以上の子供はこの街にホームステイに行きます。
漁船に乗せて頂いたり、網を引いたり海で泳いだりしました。
逆に冬は海の子達を山の温泉街がみんなで迎え、スキーを教えるという会です。
当時はテレビ局などのマスコミに取材されたりして、結構注目されていたイベントでした。
歓迎会でふるまわれたライスカレーとスイカ。立ち泳ぎを教えてくれたおじいちゃん校長先生。船酔いの薬として出された梅干し入りの番茶。初めて食べたマンボーの刺身。鼓笛隊の行進曲にあわせて、住民全員で歓迎してくれる。真っ黒に日焼けしたシワの深いおばあちゃんは、麦わら帽子をこちらに向かって振っている。
磯の香りがあの頃を思い出させます。まさにあの思い出はいつどんな時でもカラー映像となって鮮明によみがえります。
その後は年賀状のやりとりなどを数年行なっておりましたが、ご無礼ながらいつの間にか疎遠になっておりました。
震災当初に伺った時は電話も通じず、道も充分に通ることがやっとの状態でしたので、本当に小竹浜の皆さんが無事である確信も無いまま現地に物資を運びました。
考えてみれば、25年ぶりの小竹浜でした。到着し、私の小竹浜支援の大きな原動力になっているちょっとした出来事がありました。
当時ホームステイさせて頂いていたお宅の勝俣かあちゃんが、私に会うなり「あら竹ちゃん大きくなったね」とすぐに名前を呼んでくれました。
うれしかったです。行って良かったと心から思いました。
震災の3日前に式を挙げた妻も同行させ、結婚の報告もすることができました。

こちらの小竹浜では、行方不明者0人でした。
他の地域では考えられない事だったそうです。
それは、誰がいないかすぐわかる近所付合いをしているからです。
生き残った理由は、津波を想定した訓練を年に何度も行っていたからです。
なんと炊き出しの訓練まで全住民参加で行われている。飲料水もちゃんと蓄えている。
渡波から細い山道を通って行かなければならないこの場所は、震災当時完全に孤立してしまったそうですがこの住民たちは強かった。
いつでも津波を想定して日々暮らしている。そして、死への恐怖心を互いへの思いやりにかえているのです。
さらに驚きなのは、現在避難所になっている旧小竹小学校(現在のコミュニティセンター)には自分専用の毛布がちゃんとキープされている。
そして究極は、体育館と集会場に敷くための畳。こちらは空家になっている住宅から持出許可をあらかじめ取っているという事。
実家を小竹浜に残しながら、息子夫婦と石巻の街中に住んでいる方からだそう。
いつも助け合って暮らしているから、大きな部屋に雑魚寝でも全くストレスが無い。
皆同じ仕事を分け合って、いつも手分けして暮らしているから異議や言い争いが無い。
避難所には各家庭から持ち寄った食べ物がありました。
高台に住む勝俣家は塀にひびが入ったものの、無事でした。
「家には米粒1つ無いんだよ。みんな全部持ってきたからね」と勝俣かあちゃんは笑ってました。
お腹が減ったら避難所に行く。お茶と漬物少々で笑ってみんなを励ます。
われ先にとスーパーで買い占めようにも、この漁村にはそのトラブルの元がありません。
皮肉にもその不便さがこの漁村の誇りなのです。
底抜けの明るさの裏側にある苦労や、高らかに響くその笑い声には様々な人間模様が存在する。
計り知る事の出来ない恐怖と不安を抱えてもなお、彼らの笑顔は消える事がない。
この小さな漁村には大きな家族なのです。
私はその中の1人として、自分のできることを一生懸命やっている。
そして私の周りには支援活動に賛同し、峩々温泉や私を助け、小竹浜を支え、元気をわけあう仲間達が沢山いる。
この度、その仲間の1人となって頂きました遊馬師匠。本当に心強く思っております。
そして、いつの日か過疎化の進むこの小竹浜がこのボランティア活動に関わるみんなの故郷になって欲しいと願うばかりなのです。
 小竹浜出身の阿部直人さん、将来はこちらの地区の区長さんになって欲しいです。横浜市保土ヶ谷から車を飛ばしてきたならび矢さんご夫妻はネギ焼き・焼きそばなどなど約100人分を焼いてくれました。ご自身でもお店でチャリティメニューを作り、支援を続けて頂いております。
 ここに集まって来た仲間の共通点は、全員自らの腕を信じて一流を志している人々。
ひとつひとつの所作に美しさがある。心がこもっている。それぞれの得意分野でみんなを幸せな気持ちにさせる。まさにプロの集団だからこそ、こうやって楽しく足を運ぶ事ができるのだと思う。
TRI4TH織田祐亮さん・関谷友貴さん。ギタリストの君塚世和さん。
ちんどんバンドのざくろからは織田陽子さん・斎藤彰子さん。
第一線で活躍するアーティストの方々には本当にお世話になりました。
帰りはせめてものお礼にと、山形県村山市で「冷たい肉そば」を御馳走しました。
寒河江のチェリーランド。ここのジェラートはめちゃくちゃ美味しいですよ!

 別れをおしみながら、みなさんを見送りました。
また来年も同じメンバーで小竹浜に集まります。

このもようは、三陸河北新報(2012.10.17)に取り上げられました。
Web版もご覧いただけます。http://www.sanriku-kahoku.com/

2012年10月12日金曜日

バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル 特製ベルツホットドッグ


世界中のアウトドアファンが大熱狂し、そして最も有名なアウトドア映画祭をご存知ですか?
この映画祭(仙台公演:10/14)の会場でベルツメイドのホットドッグとサンドウィッチを販売させて頂く事になりました。
場所は東北大学 川内萩ホールです。

当日券のご購入など、詳しい事は主催しておりますパタゴニア仙台ストアにお問い合わせくださいませ。

バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバルは、バンフセンターで毎年11月初旬に開催される最も重要なプログラムの1つであり、世界有数の山岳フェスティバルの1つです。
今から35年以上前、登山家やアウトドア愛好者が、登山シーズンとスキーシーズンの狭間に楽しめる年中行事を探し、1976年にロッキー山脈の小さな街バンフ(アルバータ州)で開催されたのが始まりです。1日だけの登山映画際として始まったものが、今では、9日間にわたるバンフでのイベントに加えて、南極大陸を含めた全大陸をめぐるワールドツアーで、年間635回を超える上映回数を誇り、世界中で24万5千人以上のアウトドアファンに見られています。 
そんなファンの熱狂に応えるように、世界中のクライマーや映画製作者、作家、写真家が山岳コミュニティの主要イベントと位置付け、ワールドツアーでの上映作品に選ばれることを夢見てフィルムコンペティションに出品しています。その結果、第1回が開催されて以来、クライミング、登山、アウトドア、山岳文化、環境分野の5000本を超える見事な映画がアーカイブされています。過去のフェスティバルでは、ダグ・スコット、ラインホルト・メスナー、エドモンド・ヒラリー卿、カトリーヌ・デスティヴェル、リン・ヒル、ブラッドフォード・ウォッシュバーン、ガーラン・クロップ、グレッグ・チャイルドをはじめ、世界トップクラスのクライマーや探検家が多数出演しており、フェスティバルを盛り上げています。(オフィシャルホームページより)BANFF



2012年9月23日日曜日

イベントのご報告(ジャズフェス・泉マルシェ)

9月は定禅寺ストリートジャズフェスティバルと泉マルシェがあり、準備などを含めとても忙しくしておりました。
2週連続はやはり大変でしたね。
でも、どちらのイベントも天候に恵まれました。
沢山のお客様にご来店頂き、本当に最高の週末でした。
心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。




西公園エリアは独特ののんびりとした雰囲気があり、良い感じです。
来年もこちらで出店させて頂く予定です。

2012年8月26日日曜日

峩々の星空


昨晩撮影致しました峩々温泉正面の岩肌。(Canon EOS50D 30"f4.0 ISO1600 +1.0)